女性のキャリアアップを阻害する3要因

私はキャリアには「アップ」も「ダウン」もないと思ってるので、ここで言う「キャリアアップ」とは「キャリア開発」と読み替えてとらえたい。
ということで、日本IBMの菅原理事へのインタビューより。

【特別寄稿】日本IBMの女性社員活用の取り組み(1)日本IBM 技術理事 菅原香代子(ITpro:2006/12/13)

こちらの記事で、女性のキャリアアップを阻害する3要因を下記の通り書かれている。

1.将来像が見えない
 10年後に自分はいったいどの役職で,何をしているのか不安である
  身近に目標となる人(上司,先輩)がいない

2. 仕事と家事・育児とのバランス
  時間に拘束され,意欲・能力があっても退職せざるを得ない

3. オールド・ボーイズ・ネットワーク
  昔から培われてきた男性中心社会の男性独特の文化についていけない

個人的に一番やっかいだと感じたのが3番目の「オールド・ボーイズ・ネットワーク」。こちらについては以前日経BP Onlineに掲載された内永氏のインタビュー記事「日本IBM専務・内永ゆか子の「わたしのビジネススタイル」第1回「管理職になって知った“男性社会”」」にも書かれていた。
相当苦労した模様。たとえばこんな風に。

 管理職になって、私は様々な試練を体験しました。中でも私にとって大きかったものは、アメリカでもよく言われてきた“Good Old Boys’Network”です。組織の中には、マジョリティーが作ってきた独特の文化があるのです。会話の仕方などにもコツがあります。管理職になって何も知らずにその世界に入っていった私は、いろいろな人からアドバイスされることになります。

 実を言うと、入社して10年以上経っていたのですが、私の服装はビジネスウーマンとしてはあまりにもひどかったのです。当時、男性はほとんどがダークスーツ、白シャツ、ストライプのネクタイが基本でした。ところが私は研究所にいたので、好き勝手な格好をしていました。例えば、ジーパンを履いたり革のジャケットを着たり…。

 こうした服装をしていくと周りの男性は「今日はチャーミングだね」とか「カッコいいね」と言ってくれる。私は素直だったので言葉通りに受け取り、翌日も同じような格好をして出社していました。しかし彼らが「いいね」という言葉の裏で、本当は何が言いたかったかというと「その服装は、職場に合わないよ」ということだったのです。Good Old Boys’Networkの世界に入ったばかりの私は、彼らのこうした「本音」に全く気づかなかった。馬鹿だったのですね。

かなり陰険な世界がかいまみえる。異分子は排除しろ、と言うのは日本企業でも外資系でもあまり変わりはなかったようだ。

この3要因に対して、IBM社内組織である「女性社員の能力活用に関する諮問機関「JWC(日本IBMウィメンズ・カウンシル)」」がどのような施策を取ってきたかは次回に続く、とのこと。