「まじめで責任感が強い部下」ほどうつにかかりやすい

IT Proの「上司へのメンタルヘルス教育」シリーズ第二回。

部下の「心の病」への正しい対処法 第2回うつ病の早期発見:理想的な部下ほど要注意(2006/06/15)

 どんな仕事でも手を抜かない,無理な仕事でもやり遂げようとする,決して弱音を吐かない。そんな部下がいれば,上司としては頼もしい限りだろう。しかし同時に,うつ病になりやすい条件がそろっていることに気を付けなければならない。

 まじめで責任感が強いから,上司は多くの仕事を割り当てる。それでも恨めしく思うどころか,「仕事を任せてくれるのは上司の期待の表れ」,「失敗すれば自分のせい」と考える。どんな仕事も手を抜かないので,精神的にギリギリの状態が続く。しかも,こういうタイプの部下はストレスがたまっても,なかなか自分から訴え出ない。

どこかで手を抜かないと心身ともに持たないのが今の世の中だけど、それができない人も多い。また仕事はそういう人のところに集まってしまう。悪循環。
うつ病にかかりやすいタイミングについても具体的に紹介。

うつ病にかかりやすい代表的なタイミングとしては,まず「忙しい仕事が続き一段落したとき」が挙げられる。張りつめていた緊張感が途切れることが,うつ病の引き金になることは非常に多い。これを一般に「荷下ろしうつ」と呼ぶ。

 また,「昇進してから数カ月たったとき」も要注意である。昇進時には責任が増え仕事の内容も変わるだけではなく,上司からのプレッシャもきつくなるため,ストレスをためがちになる。これがうつ病のきっかけになるのだ。これは一般に「昇進うつ」という。

多忙期が長期化しやすい昨今は、忙しく走り続けてそのうち突然走れなくなって「あれ、あれ」と思っているうちに発病した、という話をよく聞く。こうなるとうつも身体を守る一種の防衛機制になっているのではないかと思ってしまう。

うつ病の代表的な兆候は記事中に図示してあるが、たとえば「遅刻や休みが増えた」「身だしなみが多少だらしなくなった」「簡単でない仕事を避けるようになった」なんていうライトなものから「理由なく、異動、退職、降格などを願い出てきた」というヘビーなものまでいろいろある。このあたりが2週間以上続くようなら、専門医の受診を薦めている。

査定への影響を気にして受診をしぶるケースも多いと思うが、ここにもあるように

「きみの存在は我々にとって大きな財産だから,もし病気なら,きちんと治して欲しい」と,健康上の問題を心配していることをはっきりと伝える

ことで「味方なんだ」と意思表明していただき、不安を解消させてやってほしい。