うつ病を繰り返さないために、自分の「パターン」を自覚する

ITエンジニアにも重要な心の健康 第34回 「うつ」にならない、繰り返さない(@IT自分戦略研究所:2006/01/09)

うつ病」とひと言で言っても実はいくつかのパターンに分かれるのだそうだ。
まず、「定型」「非定型」という区分。

普通うつ病といわれるのは「定型うつ病」「メランコリー型うつ病」と呼ばれるものです。気分の落ち込み、意欲・食欲・集中力の低下、不眠などの症状があり、何があっても元気が出ない状態になります。これに対し「非定型うつ病」と呼ばれるものは、何か楽しいことがあると気分が良くなるといった、出来事に反応する「気分の反応性」があります。

定型うつ病と非定型うつ病の違いの一覧表を下記に引用。

症状の違い 定型うつ病 非定型うつ病
気分 好きなことに対してもやる気が起きず、いつも元気がない。出来事の内容を問わず気力がわかず、積極的になれない。それまで興味があったことにも喜びが感じられない 憂うつな気分だが、好きなことに対しては元気が出る。気分の落ち込みや気力・集中力の低下などはあるものの、出来事に反応して気分が明るくなることもある
時間帯 朝から午前中にかけて調子が悪い。朝起きたときに気分の落ち込みがあり、何もやる気になれない。夕方になると少し気が楽になる 夕方から夜にかけて調子が悪い。午前中から昼は比較的穏やかに過ごせるものの、夕方から夜に不安やイライラが高まって具合が悪くなる。帰宅した玄関で涙が流れるといったように感情のコントロールができず、戸惑うこともある
睡眠 寝つきが悪く、早朝目覚める不眠傾向。入眠が困難で夜中にも目覚めることがあり、早朝覚醒により慢性の睡眠不足になりがち いくら寝ても眠い過眠傾向。睡眠時間を長くとっても昼間に眠気を感じ、寝足りない感じがする
食欲 食欲が落ち、体重の減少が起こる。食欲、性欲といった基本的欲求が低下するため、体重が減る 過食傾向で体重の増加が起こる。食べることで気持ちを紛らわせる。甘いものだけ無性に食べたくなるといった傾向が見られ、体重の増加とともに、手足に鉛がついたような重たい感じが起こる
集中力 頭の回転が鈍る。頭がボーっとして集中力が鈍る。小さなミスが増えることで能力の低下を感じ、自信喪失が起こる イライラして落ち着かない。イライラ気分に支配され、集中力の散漫が起こる。対人関係においても自分の感情の制御がきかず、相手に感情をぶつけてしまいトラブルを起こすことがある
そのほかの特徴 きちょうめんでまじめ、完ぺき主義な人ほどなりやすいという傾向がある 他人からの評価を気にする傾向が見られる。他人からどう見られているか不安がある。怒りやイライラ、戸惑いといった他者の感情にも敏感で、他者の感情、表情を自分の中に取り込んで、混乱している様子も見受けられる
非定型うつ病の項目に覚えがある場合は医療的サポートを受けることを薦められている。

次に紹介されているのはある特定の季節になるとうつになる、というもの。これは「季節性うつ病」の可能性があるとのこと。

 私たちの気分や感情の起伏に、病的なほど大きい変化が起こる障害を「感情障害」といいます。中でもある季節に決まって起こり、また決まった時期になると自然に治ってしまうものを「季節性感情障害」といい、そのうちうつ病になるものを「季節性うつ病」といいます。

 季節性うつ病の精神的症状は、定型うつ病と比べて、悲しい、つらいなどの悲哀感があまりありません。行動面だけが無気力によって抑制されるタイプが多く見られます。食欲も比較的旺盛で、特にご飯やめん類といった炭水化物が欲しくなる「炭水化物飢餓」や、甘いものに対する執着が起こりやすくなります。また、「過眠症」(一日横になって寝ていることが多い)が起こるといわれています。

 タイプは3つ。春に限ってうつ病になる『春型』、夏になる『夏型』、秋から冬にかけてなる『冬季うつ病』。圧倒的に多いのが、木枯らしが吹き始めるころから憂うつになり、体が不調になる冬季うつ病です。冬季うつ病には「光治療」と呼ばれる治療法があるそうです。医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。

自分自身真冬になると一カ月くらいかなり無気力になるという自覚がここ数年あり、もしかしたら季節性感情障害なのかもしれない。とにかく行動面で無気力になり、ただただ眠りたい、それだけなのだ。エネルギーが枯渇している感じ、と言えばいいのか。
今までは「そういうバイオリズムなんだろう」と思っていたし、そうは言っても仕事に支障があるほどひどくはないので、単に憂鬱をやりすごせばいいや、と思っていたのだが。

記事によると、大切なのは自分の心のパターンを知り、不調の気配が見えたら用心して、手に負えそうにないと感じたら遠慮なく医師やカウンセラーなどの専門家の支援を依頼すること、と言えるようだ。まずは自分を過信しないで用心深く過ごしてみることにしよう。