AERAムック「職場のうつ」

目次はこちらからご覧いただける。

5年前同タイトルのムックが出ていたが、今回のものは「復職」を柱にした、より実践的な内容になっている。
復職支援プログラム3種類(病院、クリニック、NPO)の紹介など本人向け情報はもちろん、家族や職場の支援者への情報も章立てて整理されており、わかりやすく感じた。
また公共のサポートとして地域の障害者職業センターで実施している「リワーク支援」や労災病院などの相談窓口、さらに福祉の利用など、医療だけでないサポート情報があるのもありがたい。

ご参考に東京障害者職業センターで行っている「リワーク支援」説明会の案内を引用しておく。

職場復帰支援にかかる利用説明会のご案内
◇東京障害者職業センター(池袋本所)では「うつ病等で休職された方」を対象に職場復帰支援を行っております。職場復帰支援では職場復帰に向けたプラン作り(職場復帰のコーディネート)を行い、職場復帰に向けた進め方をご提案いたします。
支援の利用方法にあたっては下記の職場復帰支援利用説明会にご参加下さい。
  
1
日時
平成19年5月の予定 8日(火)・22日(火) 10:00〜12:00
        6月の予定 12日(火)・26日(火) 10:00〜12:00
        7月の予定 10日(火)・24日(火) 10:00〜12:00
        8月の予定 14日(火)・28日(火) 10:00〜12:00
2
対象者
うつ病等で会社を休職されている方(家族の方、会社の方にも同席いただけます)
3
場所
東京障害者職業センター
4
定員
8名程度
5
お申し込み
参加を希望される日の前週金曜日までに東京障害者職業センター(池袋本所)までお電話にてお問い合わせ下さい。(03-3989-9651)


印象的だったのは野村教授(防衛医科大学校)のこんな言葉。

「そもそも、うつになること自体は不健康なことではない。それは熱が出ることとよく似ています」
と野村教授は話す。例えば、ウイルスなどに感染すると熱が出る。これは体内に侵入したウイルスを退治しようという、身体がもともと持っている正常な防御反応だ。ただ、熱が高くなりすぎると危険になる。うつもこれに近い。ストレスによる過剰な負荷に対し、うつ状態に陥ることで立ち止まり、休もうとしている。自分自身を守ろうとしている。ところが、そこで無理をして頑張りすぎてしまうと、うつ病にまで発展してしまう。

近くに適切な施設がない場合は「一人デイケア」の記事が役立つだろう。

本誌にも出てくるNPO法人MDA-Japanの3A「あわてず・あせらず・あきらめず」は、うつからの復帰の時の大事なおまじない。これを手帳に書いていたという体験談があった。職場に戻るまでも大事だが、そこはまた新たなスタートなのだ。