金融業界は相変わらず男尊女卑?

読売新聞サイトの記事より。

衝撃…研修の場で見た、男女差(YOMIURI ON-LINE:2006/12/01)

 先日、ある金融機関の研修を企画し講師を務めた。

 対象は20代後半から30代にかけての中堅社員の男女で内容はコミュニケーションの訓練。グループワークを中心に、ディスカッションやプレゼンテーション(議論や説明)の仕方を研修した。

 ところがその中で、一つ気になることがあった。

 それは男女の役割分担について。一つのグループは7から8人で男女半々くらいなのだが、話し合いが一段落して、まとめて発表という時間帯になると、誰が指示するともなく、自然と女性が書いてまとめる係になり、男性の中だけで発表者を決めているのだ。

 1回目の発表は、全グループ男性が代表者となっていた。

 いろいろな組織から集まっているので決して上下関係があるわけではなく、顔見知りも少ない。

 そんな中でも、暗黙のうちに男女の役割分担がはっきりとしているのに驚いた。

 これが金融機関であり、総合職と一般職の違いなのか。すべての金融機関がそうとは思わないが。

今どきまだこんな役割分担が日常的にあるなんて珍しい業界だなあ、と率直に思った。

 職場の問題点をあげてもらう話し合いでは男性は「残業が多くて……」と、疲弊しているのに、女性は「毎日ほぼ5時半の定時に帰ることができる」という発言も。この明らかな差にも驚いた。

 そういう職場に10年いると、外部の研修に行っても、役割分担をしてしまうのか。

「自分は補助的立場で主役ではない」という意識をたっぷり刷り込まれてしまうのだろう。無理もない。

 ただ、一ついえることは、入社するとき就職活動の段階では、どこの会社の人事担当も「男性より女性の方が優秀」と口をそろえる。ところが入って5年10年たつとこの差になる。少なくとも本人の資質ではなく環境がそうさせているということだけは事実であろう。

本気で使おうとする姿勢があるかどうかということもあるし、女性が短距離ランナー的で完全主義に走りやすい、という点もあると感じている。自分だけではいかんともしがたい人生の分岐点が数多くあり、そこでベストな選択をするためには「仕事をものすごくがんばる」か「仕事は最初からあきらめる」の両極端の選択肢しか見えないのだろう。
だから、

私にできることは何なのだろう。みなさんはどうお考えでしょうか?

という問いかけに対しては、

  • できるだけ多くの選択肢を見せること
  • 長期作戦で考えること
  • 優等生から脱すること

などを伝え続けることではないかと思うのだ。