企業採用担当ブログで働く先輩の「生の声」を聞こう

CNETの記事「企業と学生をつなぐ新卒採用ブログポータルサイト「れせぶろ!」がオープン」へのトラックバックを見たら、関西学院大学の柿原先生発見。

『学生をエンパワーするブログの可能性:れせぶろ!』(kakihara.org:2006/12/14)

そうか社長さんは関学の学生さんだったのか、と思いつつ読み進めると、こんな気になる記述が。

学生の就職活動においてウェブは欠かせないものになった。情報収集、業界研究、企業へのエントリーや連絡、etc. もはやウェブ無しでは就職活動は何もできないと言っていいだろう。僕が10年以上前に就職活動をしていた頃と比べると、桁違いの量の情報を得ることができ、段違いの人のネットワークを活用できるようになった。

では、その結果として学生が一昔前に比べて満足度の高い就職活動ができるようになったかと言えば、まったくそうではない。情報量の拡大が、直接的に就職活動の効率性を高めるわけではない。情報量が増え過ぎることで、それまで以上に学生は混乱し、方向感覚を失い、藁をも掴む思いで、少しでも知っている「ブランド企業」に引き寄せられる。そこで待っているものは、昔以上に過酷な戦い・・・。そんな僕の思いは随分前にここにも書いた。ウェブの発展と普及により、今も昔も思い悩み戸惑う就職活動中の学生は少しでも救われるようになったのだろうか。

情報過多のため、少ない情報からブランド企業にこれまで以上に集まる学生たち、という実態。そして「ここ」のリンク先のエントリでさらにそのあたりの実態について考察が。

『イマドキの就職活動』(kakihara.org:2005/02/07)

当然ながら、情報の取捨選択には個人個人に「ものさし」が必要なわけだが、それがまだ出来上がっていない多くの大学3年生には、「就職」という人生で初めての経験を前に、そうした怒涛の情報量がより一層不安感を煽っているように見える。「今はいろんな情報が簡単に手に入るんだから、就職活動もやりやすくなったんじゃない?」というのは、一世代前の僕らの感覚でしかない。

そうなると、ある意味面白いことなのだが、学生の志望企業選びが結果的に昔以上に「ブランド志向」になってしまっている傾向が徐々に見えてきた。最近就職活動中のいろんな学生と話していて、「昔もこんなにブランド志向強かったかなぁ・・・」と思うことが多々あるのだ。

しかし、当然といえば当然で、まだまだビジネスの知識も経験もほとんどない学生が、膨大な量の企業リストのなかからいきなり入りたい会社を選べと言われれば、そりゃ自分の知っている有名な会社を選ぶに違いない。僕でもそうするだろう。アプローチできる企業数の母数が極端に大きくなったため、直感的に「ピン」とくるものを選ぶと結果的に少しでも自分の記憶に馴染みのある企業を選びたくなるものだ。

「会社選びではなく仕事選び」が本来の「就職」のはずだが、そうなっていないのが実態。結果ブランド企業への集中と落ち続ける学生続出、となるわけで。

でも仕事なんてわからないよ、そんな悲鳴が聞こえてきそう。そんな時にこの「れせぶろ!」みたいな採用担当者が書くブログを提供する場があると、そこでの仕事の様子が単なるネットや紹介本の情報よりずっと「肉声」として聞こえてきて、イメージしやすくなると思う。実際少しのぞいてみたが、担当者の顔が見えて(写真があるからとかそういうレベルではなく)、継続されていくと面白くなりそう。

以前日本テレコムの採用担当者がブログを書いていたが、今はもうなくなってしまったようだ。残念。