「言葉のサラダ」って一体

厳密には「psychiatry」(精神医学)の領域だが。
統合失調症関連で「思考障害」についてまとめた文章を読んでいたのだが、想像を絶するすごい状態なのだということが言葉から伝わってくる。

思考障害は、思考形式の障害と、思考内容の障害に区分される。思考障害の形式としては、観念奔逸、思考停止、思考逸脱、迂遠思慮、言葉のサラダなどがあり、思考内容の障害は妄想、強迫観念と強迫行為、パラノイヤ、自殺念慮と殺人念慮、関係念慮と被影響念慮などが代表的である。
原因としては、脳気質に障害疾患、躁鬱病などの他、統合失調症の陽性症状としても出現する。
器質性の障害における思考障害の代表的な例は

  • 迂遠(思考目標は見失われないが細部にこだわり目的とする主題にたどりつかない)
  • 保続(一度考えたことが何度も繰り返される)
  • 散乱(意識障害を伴い、考えがまとまらない)などであり、

などであり、統合失調症における思考障害においては、

  • 途絶(考えが途中で切れてしまう状態)
  • 連合弛緩(思考を形成する観念間の関連性が弱くまとまりがない状態)
  • 支離滅裂思考(連合弛緩が悪化し理解不能)
  • 言葉のサラダ(滅裂思考がひどくなり、無関係な言葉の羅列となる)
  • 言語新作(思考障害のため新しい語をつくり、独自の意味を与える)

などである。
また、躁鬱などの気分障害で見られる思考障害としては、

  • 観念放逸(考えがよどみなく浮かび次々と展開する)
  • 思考停止(うつ状態で思考が不活発となり、考えが滞る状態)

である。

連合弛緩→支離滅裂思考→言葉のサラダ→言語新作の流れは、何と言うか、すさまじいのひと言である。

統合失調症の治療は、向精神薬と心理社会的治療、社会福祉的アプローチを基本とするとのこと。

陽性症状(妄想、幻覚等)に対しては抗精神病薬で症状緩和を中心とした治療が原則となり、抗精神病薬の効果が薄い陰性反応(感情の平板化等)に対しては薬と同時に社会的技能訓練が重視される。また、家族や周囲からのストレス緩和も重要な治療要因であり、治療開始時のインフォームドコンセントは特に重要。

病名を「精神分裂病」から「統合失調症」に改めたのは、本人や家族には精神的負担を減らす効果があったようだ。「分裂」は本来「連想の分裂」であり、精神ではなく、まとまらないのは考えであって人間性が破壊されているわけではないのだと言う。