保存修復師というおしごと
エン・ジャパンの求人案内メールを見ていたら、こんな求人があるのを見つけた。
[http://ml2.en-japan.com/link/link.cgi?number=7176:title=[募集職種] 文化財の保存修復師 【未経験】]
※募集広告のため、リンク切れの際はご容赦を。
おもしろそう、とさっそくリンク先を見てみる。
社名は「株式会社大入」。募集要項を見ると、どういう仕事なのか、またどんな思いを持ってみなさんお仕事しているかがよくわかり、非常に興味深い。
職種 保存修復師
募集背景 時代の変化とともに、ますます私達の技術は必要性を帯び、求められるレベルも高く複雑になってきています。その拡大傾向にあるニーズに応えられるよう保存修復者の強化を図り、今後もより一層、次世代への貢献を担えるよう務めていきたいと思っております。
仕事内容 保存方法や修復の必要性は所蔵者によってさまざま。
まずはクライアントと私達との認識の一致をはかる事が必要です。
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対象となる文化財の持つ側面の重要性、必要性を考慮。
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資料的、美術的、宗教的、実用的な面など、複合的側面の中で保存の必要性・方法を考え修復方法を検討。
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技術的・経済的な問題、工期に費やせる時間的な部分も含め最終的な仕様を決める。あなたには末永く当社で活躍して頂きたいと思っております。
保存修復者としての仕事に留まらず、将来的にはクライアントとの交渉(営業を専任とする者がおりますので、主に技術面の説明などをお任せします)、見積書作成など、納品までの業務的な仕事の一連の流れを手掛けて頂きます。【仕事のやり甲斐】
私達の技術を見込んで、毎日さまざまな案件が持ち込まれてきます。どれも日本の歴史を後世に伝える上で重要な文化財ばかり。なかには何千万もするモノまで。そうした文化遺産を手にできる喜び、それらに再び息を吹き込む私達の技術は、伝統工芸品を次世代へ伝える橋渡し的な存在として日本に貢献している仕事です。【 仕事の厳しさ 】
常に100%の仕事をしていきたいと思い続ける私達ではありますが、クライアント側との要望のすり合わせを行うなかで矛盾が生じ、やむをえぬ暫定的修復にとどまる事も否めません。要望内で分析・分解・組立・修復・納品を行える、バランスを持って仕事に取組める能力が必要です。
応募資格 22〜35歳位までの方
※経験は一切問いません!未経験者大歓迎!!
[こんな方お待ちしております]
・一から何かを学び自分のものへとしていきたい!
・手に職をつけ、その道で腰を据え、じっくりと仕事に取組みたい!
・末永く取組める仕事に就きたい!
・職人としての技術はもちろん、企業人としての能力も身に付けていきたい!
【活かせる経験・能力】
・学生時代の美術の時間や学園祭などで、モノ作りに熱中した経験
・コツコツと作業を行うことのできる集中力
・バランスよく仕事をこなせる能力
雇用形態 正社員
勤務地 京都市中京区
交通 地下鉄「鳥丸御池駅」より徒歩10分
勤務時間 8:30〜17:30(実働8時間)
給与 月給18万5000円以上
※あなたの経験や能力を充分考慮のうえ決定致します。【年収例】
保存修復者/入社6年:年収400万円
待遇 昇給年1回、賞与年2回(6月・12月、3ヶ月分 前年度実績)、交通費支給、各種社会保険完備
手当/職務、慶意、弔意
毎年社内旅行有り★業績により異なりますが2002年度は中国に5日間行ってきました。今後も皆で楽しい旅行に行けるよう、力を合わせていきたいと思っています!
休日・休暇 ※繁忙期により、下記のように異なります。
1〜6月・10〜12月/隔週休2日制(日、他第2・4土)
7〜9月/完全週休2日制(土・日)
祝日、年末年始休暇、夏期休暇(お盆を含む15日)★年間休日105日
配属部署 五十畳敷きの大きな部屋、それが保存修復者達の作業場になります。
現在10名の保存修復者達が、それぞれ文化財の保存修復作業に取組んでいます。新聞や本などの紙の修復から、畳何畳分にも及ぶ大きさの古地図まで業務・技法は異なります。いずれも一見黙々と作業をしているように見えますが、共同作業もあり、お互いに声を掛け合い助け合う風土があります。最初は、もちろん分からない事ばかりだと思いますので、気軽に質問して頂ければ結構です。職人という仕事上、年齢層幅は26歳〜上は68歳まで。
当社での技術をしっかり身に付けて頂ければ、70・80代まで末永く勤めて頂ける仕事です。
教育制度 人により異なりますが、一人で一連の仕事をこなせるようになるまでは最低3〜5年程の月日が必要です。あなたには保存修復者として立派に成長して頂きたいと思っておりますので、先輩職人が一から丁寧に指導するなか、じっくり焦らずに腰を据えて当社の技術を身に付けていって下さい。技術向上のためのバックアップは惜しみません。
常にクライアントの要望に少しでも沿えられるよう、よりよいものを目指す私達は、学会への参加を始め、地域研修会、社内での講習会など日々の勉強も積極的に行っております。また社内には技術に関する多くの書物を揃えていますが、今後も皆の意見をもとに順次、買い揃えていく予定です。
株式会社大入と水木しげる氏 「ちりめん本 水木しげる作品集」(解説:荒俣宏氏、京極夏彦氏)は、水木氏から直々にオファーを頂き作成。縮緬本使用の作品集・解説、マット装、裂装化粧箱(以上限定本、普及本は縮緬本使用の作品集、解説、タトウ、桐箱)に至るまで大入が企画・制作・発行を手掛けた私達の技術が詰まった代表作品でもあります。この仕事後、たまたま飛行機に乗っていた社員が機内誌に目をやると、荒俣氏への取材が見開きに取り上げられていました。大入の仕事に感銘を受けたことなどを中心に語っておられ、私達は驚きや感動と共に、この技術を誇りに思い、改めて大切な仕事を担っていると実感させられました。