ギャンブル依存やDVは想定外でうれしいことがあるから離れられなくなる

オペラント条件付けの強化のスケジュールについてまとめてみて「そうだったのか!」と思ったこと。

ちなみに「オペラント条件付け」の定義は以下の通り。

有機体が(手がかり)刺激に基づき自発する反応をオペラント反応と呼ぶ。
反応の結果、得られる強化子の性質により、オペラント条件付けが成立する。
刺激と強化子を管理、操作することを行動療法では環境調節と呼ぶ。

ついでに「三項随伴性」についても。「刺激、反応、強化子の三つの要因が組み合わさってオペラント反応が習慣化されること」。

で、その強化のスケジュール。
強化子の与え方では反応するたびに強化子を与える「連続強化」、反応に対して一定の規則性に基づき強化子を与える「部分強化」がある。
行動の形成には「連続強化」、行動の定着には「部分強化」が有効とのこと。

そして、部分強化にも四種類ある。
1.反応数に応じた部分強化(ex.レバーを3回押したら餌が1個出る)

・固定比率強化(fixed ratio:FR)
反応数に応じて規則的に強化子を与える

・変動比率強化(valiable ratio:VR)
反応数に応じて不規則に強化子を与える
ex.10回で餌が出る場合もあるが、70回で出る場合もあり、平均すれば15回に1回の割合で餌が出ている

この強化が一番消去抵抗が強い、つまり習慣が消えにくいのだそうだ。これはギャンブルで言えばいつも大負けするけどごくたまに大勝ちするとか、DV夫婦でいつもひどい暴力にあうけどたまにものすごくやさしくなるとか、そういうことがこれにあたるとのこと。心理学的にも裏付けのある現象なのだ。しかもこのVRで作られたオペラント反応は強化子が得られなくなっても、つまりギャンブルで全然勝てなくなっても、DV夫婦で暴力ばかりになっても、なかなか消去されないと言うから恐ろしい。

残り二つの強化スケジュールについても書いておこう。

2.反応時間に基づく強化
・固定時間間隔強化(fixed interval:FI)
反応数に関わらず、決められた反応が出たら一定時間後に強化子が与えられる。

・変動時間間隔強化(variable interval:VI)
反応数に関わりなく一定の時間ごとに強化子を与えるが、平均すれば一定の時間ごとに強化子が与えられている。

この4つの強化スケジュールの間で消去抵抗の強さを比較してみると

VR>>VI>FR>FI

となるそうだ。まあこのあたりは自分自身であてはめて考えてみると納得できる。いつくるかわからないご褒美の方が、それをもらえる行動は常に取ろうとするだろう。