卒論のためのWeb調査、それはいいんだけど
ロテ職人さんのエントリ「ネットを使った卒論のためのアンケート調査について思うところなど」を読んで、ちょっとびっくり。
話題になっているのは、アンケートツール「ツクレール」というサービスの中で取られている「オンラインゲームにおける否定的側面に隠された肯定的側面について」というアンケート。
見てみると、「制作:某大学社会福祉学部 心理学科」という名前でこんな説明文が。
私の卒業論文のテーマは「オンラインゲームにおける否定的側面に隠された、肯定的側面について」です。
皆様がオンラインゲームに対してどのようなイメージをもっているのか、またオンラインゲームを実際にしたことのある人と無い人とでは、どのようにイメージに違いがでるかを詳しく知るため、アンケート調査をすることにしました。
なお、回答は研究以外の目的で使用せず、研究の終了後は適切な方法で処分致します。また、回答したくない場合は無理に回答していただかなくても構いませんので、ご協力の程よろしくお願いします。
いや、ええと、これは一体。
本当に卒論のためのアンケート?
今どきはけっこうな数の大学院が心理研究のための調査については倫理審査をやっているのではないかと思う、と言うか、正に今私は倫理審査のための準備でひいこら言ってるところなんだが、このアンケートがその大学の倫理審査を経て公開されているとはにわかに信じられない気分。
ロテさんが指摘されているように
- 調査者はどこの誰なのか全くわからない
- 「オンラインゲームにおける否定的側面に隠された肯定的側面について」、このタイトルそのものがバイアスになる可能性
- データを処分する「適切な方法」って何?
- 指導教員は見ているの?
と言う部分でどうも疑問。
「いや、予備調査だから」ということかもしれないが、きちんとやるところは予備調査も倫理審査はかけるらしいし、そうでないとしても「バイアスの可能性」だけで適切な質問紙になっているとは言いにくい。
さらに言えば「うちの学校は倫理審査ありません」なんて話だったとすると、、、そんなところの質問紙は正直回答に躊躇してしまう。
私も勉強中の身で偉そうなことは言えないし、余計なお世話だとは思うが、もう一度指導教官に相談してみてもいいのではないだろうか。せっかく質問紙取るのだから。