日本の企業社会の働き方そのものが長時間労働を生みやすくしている
とはJILPTの伊藤実統括研究員のコラムより。
長時間労働と労働時間法制(労働政策研究・研修機構:2007/01/26)
ここまでは「ホワイトカラー・エグゼンプション」関連で。
ところで、労働の専門家でない一般国民の何割が、「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度と裁量労働制の違いを認識していたのであろうか。ほとんどの国民は、通常の時間管理による働き方とこの2つの働き方について、それぞれの違いを理解していなかったのではなかろうか。それゆえ、長時間労働やサービス残業が社会問題となり、過労死の報道がしばしば流れる最近のストレス社会の現状に身を置いていれば、残業代ゼロ法案キャンペーンを受け入れてしまうことになる。新しい制度を導入するためには、周到な普及キャンペーンが必要であることを示唆している。
本題はここから。
ジョブ・ディスクリプションの話になってくるのかなあ、こうなると。
ところで、日本の企業社会は、どうして長時間労働体質から抜け出せないのであろうか。それは日本の企業社会の働き方そのものが長時間労働を生みやすくしている上に、そのことが企業競争力と深く関わっているからである。仕事に対する役割分担や責任の所在を余り明確にしないまま、微調整を繰り返しながらチームワークで仕事の質を高めていく日本的仕事システムは、長時間労働に陥りやすい体質をはらんでいる。
長時間労働体質を改善するためには、仕事の役割分担や責任の所在を明確にするとともに、職場への入退室時間を機械的に把握する必要がある。さらに、限度を超えた長時間労働者や過労死でなくなる者が出た職場の管理責任者は、人事評価を大幅に下げるといった人事制度改革が必要である。
多くの方はできることなら長時間残業なんかしたくないし休日出勤なんかしたくないと思っているのにそうならないのはなぜか。「時間と成果を切り離して評価する」って、本当に言うは易し行うはなんとやら、だ。