「JILPT(労働政策研究・研修機構)廃止反対要望書」その後について

発起人の玄田先生からご報告があった。

JILPTについてご報告です。(玄田ラヂオ:2007/11/14)

12月24日午前に行われた閣議において、
独立行政法人の見直しのなか、
労働政策研究・研修機構(JILPT)については
廃止および統合をいずれも行わず、
存続が決定された模様です。

呼びかけ人の方のなかには、
新聞や雑誌等に、JILPTが存続すべき理由について、
ご寄稿いただいた方も複数いらっしゃいました。
また直接、行革大臣を含む関係者に、要望の趣旨を
直接もしくはメール等でご説明いただいた方も、
いらっしゃいました。

嬉しいことに、会事務局のもとには、これらの働きかけが
JILPTの存続決定に少なからず効果があったとの情報を
得ておりました。実際、厚生労働大臣は、折衝の場で、
学者や研究者等から強い要望が届いているということを、
折に触れて説明されていたようです。

これらもひとえに存続要望に呼びかけ人および署名者として
ご賛同いただいた皆様のご協力の賜物と考えます。

賛同署名は、12月24日現在、日本内外から749名の
方々から頂戴しました。署名に付されたJILPTの改善
提案については、責任をもってJILPTの理事長および
執行部に伝えます。

ひとまず廃止という最悪の結果は免れることはできたわけだが、今後さらに中立研究機関としての存在意義は問われ続けることになる。存続を支持した者として、その批判に充分対抗できる組織となってもらうよう引き続き意識し続ける必要があるだろう。

「人格心理学」の授業の中で紹介され、購入した書籍

大学院の授業の中でいろんな本が参考書籍として紹介されるが、2学期の授業でいわゆる関連書籍以外の本も一番多く紹介されていたのが「人格心理学」だった。もちろん授業内容の流れからの話ではあるが、研究として密接に関わるというよりは、心理学を学ぶものの教養として読んでおくといいのではないかというK井先生の半ば趣味で紹介されたので、かえって興味をひかれ、何冊か購入した。以下それを書いてみようと思う。

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

パーソナリティ理論の話の時、必ず「科学としての是非」の話になった。いわゆる「似非科学」の話が出た時、メディアによるバイアスについて話され、その際紹介された一冊。正直私は「化学性食品添加物=悪」という刷り込みの元に成長した人間なので、にわかに信じがたい話もあるが、少なくとも食品の安全性検査というのはどういう考え方と手法の元に行われているのかということがよくわかった一冊。

臨床心理学における科学と疑似科学

臨床心理学における科学と疑似科学

同様に「似非科学」の話の際に、最近出た本として紹介された。まだ全部は目を通していないが、こういった批判があるということを知っているといないとでは違うような気がする。

「こころ」はだれが壊すのか (新書y)

「こころ」はだれが壊すのか (新書y)

この2冊は届いてはいるがまだ読めていない。
Amazonにある

一般人の不安をなだめるための、この「正常‐異常」の線引きは、あまりにも安易と言っていい。こうした風潮に対し、木村敏中井久夫の道統を継ぐ練達の臨床精神科医が、「こころ」とはなにかから時代の病態まで、精神鑑定から「脳」と犯罪の問題まで、さらには昨今の青少年の社会的引きこもりから拒食症・過食症家庭内暴力まで、きわめて今日的な問題に果敢に発言する刺激的インタビュー集。

この内容紹介を見ると非常に興味深く、早く読みたいと思っているのだが。