短距離ランナーにならざるを得ない女性部下への役立つアドバイス
キャリアカウンセリングで20代後半の女性と話していると、非常によく聞かれる「結婚したら同じ働き方ができるとは限らないから、先のことは考えにくい」という言葉。そのためかどうかは定かではないが、傾向として女性社員は短距離ランナー的に30に向かって力をあっと言う間につけていくけど、なぜか30を過ぎるとその曲線が降下する傾向を前から感じていた。
そんな女性社員を部下に持つ(主として男性の)上司向けにこんな処方箋があった。
「結婚・出産するかもしれないし…」5年後のキャリアも描けない女性部下をやる気にさせる方法(ダイヤモンドオンライン)
大きくは(1)不確定要素があり迷いやすい女性部下の気持ちを理解する (2)「今の力を伸ばしていくこと」に集中させることなのだが、納得できたのは(2)の例。
私も将来のキャリアプランをあれこれ悩む女性部下に対し、幾度となく「先を見ろ」とアドバイスを繰り返してきました。中には納得して、先が見えないなりに長期視点をもとうとする女性部下もいましたが、大半は「長期視点の大切さはわかるけど、わからないものはわからないんです……」と、ピンとこないようなのです。
目の前の小さなケーキに目を奪われている人に、いくら「5年待てば、もっと大きなケーキが食べられるよ」と言っても、理解させるのはなかなか難しいんですね。だから私は「短期視点でもいい。でも、そこがゴールではないよ。それを達成したら、また新しい道が拓ける」と伝える戦法に切り替えることにしました。
女性部下自身に見えていない、先々のキャリアプランを、上司が一方的に押し付けても反感を買うだけです。不確定要素を抱えて先が見えないと悩んでいる女性部下には、
「いまのあなたの強みは企画とかコンセプトワークだから、それを生かせるいまのプロデュースの仕事を頑張っていこうよ。1、2年経ったら、また結婚や出産などで考え方や状況も変わってくるかもしれないけど、それはそれでいいじゃないか。『この先どうしよう』と見えない未来を考えてあれこれ悩むよりも、いまの力を伸ばしながら進んでいけば、新しい目標が見つかるかもしれないよ」
と、アドバイスするのが、もっとも心に響くようです。
ポイントは「変わってもいいんだよ」「見えない未来を悩むより見える今に集中することが道を開く」というメッセージだと感じる。こういうことで悩む女性社員は基本的に真面目な優等生タイプが多いので、他人の期待を裏切ってはいけない、常にトップを走る優秀な自分でないといけない、という思い込みを持っていることも多い。そんな自信のなさや不安を包み込み、その上で一緒やっていこうという姿勢を示されたら「これでいいのか」と安心して集中してもらえるのではないか。
女性社員のトリセツ[取扱説明書]―なぜ上司の気遣いは通じないのか?
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