玄田有史先生の超実戦的雇用対策・キャリア教育レジュメ

雇用対策と銘打っているが、これこそが「キャリア教育の基本」であろう。自己理解とか人間力とかそんなことを言う前に、働く人となるために最低限これは覚えておかねばならないだろう、ということがてんこもり。もともとは先生が大学の授業用に作ったものとのこと。

自分を守る自分のための雇用対策(ゲンダラジオ:2009/01/08)

不透明さを増す雇用情勢のなか、多くの国民が自分の雇用生活を、生涯にわたり守っていくための、具体的なポイントをすみやかに周知徹底すること、そしてそのための国民の目線に立った情報発信が、まず重要。

という前書きから始まり、8個のポイントを上げている。ここではその見出しのみピックアップ。

1.「3年くらいは、つづけてはたらけそうな会社をえらぶ」
2.「『あなたはこれまでどんなしごとをしてきたのですか?』ときかれたときに、自分なりにこたえられるよう、日ごろからはたらく
3.「しごとでトラブルにあったら、かならず『総合労働相談コーナー』へ」
4.なにかあったら『ハローワーク』『サポステ』『ジョブカフェ』など、しごとをタダでしょうかいしてくれたり、はなしをきいてくれるところにいく
5.「できるだけ雇用保険に入れる会社をえらぶ」
6.「かぞくみんなではたらく」
7.「学校を中退しない、中退させない」
8.「あきらめない」

それぞれについて書いてある説明もコンパクトかつ必要なことが網羅してあるので、リンク先でぜひ全文ご覧いただきたい。

締めくくりはこういう言葉。

これらの前提として、何より
『働くことが困難な人の状況に対する国民的な理解』が必要

 *働くことに苦しみをおぼえている人や、働きたくても働けなくて苦しい人が、どこにどのような表情をして生きているのか
 *その事実を多くの人たちが理解し、それぞれ出来ることを行動すること

「その事実を多くの人たちが理解し、それぞれ出来ることを行動すること」。胸に刻んでいきたい。


#「ニート」という言葉が知られる前に、労働問題を「かわいそうな中高年」から「本当に困っている若者」に引き戻した名著。