「仕事」と「育児」が二律背反のこの社会

その世界では有名な労務屋さんが「女性の育休取得率、8割を突破」というエントリで

大企業の女性が軒並み「キャリアは適当でいいから育休をしっかりとろう」という発想になってしまっているとしたら、若干さびしいものも感じます。

と書かれているのだが、私の個人的実感とは少々ずれているので簡単にコメントを。

つまり、

「仕事の替わりはいても、親の替わりはいない」

という究極の選択なのではないか。決してキャリアを適当でいいと思っているわけではなく、むしろ育休明けに延々と続く(と本人には感じられる)短時間勤務(もしくは残業できないということ)による「責任のない仕事」「低い評価」に苦しめられてる人の方が多いのだと思う。
また、キャリアを長距離走としてとらえ、短期的には昇給も昇格も難しいが、地道に長く働き続けていこう、と自分を納得させているとも言える。

で、問題は、そういう選択は現在圧倒的に女性側にのみさせられているということではないかと思うのだ。「男性は0.57%にとどまる」のに対して「キャリアは適当でいいから育休をしっかりとろう」という呼びかけでは数字は上がるまい。それは本来女性にだって同じことではないのか。

「仕事」と「育児」が二律背反のこの社会に生きている現在、根本的な何かを変えていかないと「ワークライフバランス」なんて実現しないのではないかと思うのは杞憂だろうか。

#話の元になった新聞記事はこちら↓
06年度の育児休業取得率、女性は88%・政府目標超す(NIKKEI NET)