他人の話ではなく、出来事の評論でもなく、どうしたらいいかアイデアを話そう

日経ビジネスアソシエ連載記事の「マックス桐島の人生が100倍大きくなる成功格言」。ハリウッドで映画プロデューサーをやっている彼のエッセイはいつも、ハリウッドで活躍する俳優やスタッフが言った「珠玉のひと言」を取り上げて紹介していて、読んでいて非常にためになる。
今回はベン・キングスレー(「ガンジー」でアカデミー賞主演男優賞を受賞)が言ったこの言葉。

Poor men talk about other men.
Average men talk about events.
Great men talk about ideas.

記事中での桐島氏の訳としては「愚か者は他人のゴシップを、凡人はイベントを話したがりますが、賢人はアイデアにしか焦点を合わせないと言いますから・・・」。

そして、ゴシップやイベントの話題になるとサッとその場から姿を消す別の人の話になる。それはメル・ギブソンだった。

バーベキューパーティーの最中、話題が他人のゴシップや社会状況の批判になると、途端に海に向かって歩きだしてしまうメル。ところが、話題が家族での楽しい遊びや新企画のアイデアとなると、会話の中に割り込み、一気に興奮して話すのだ。そこに、愚者や凡人を決して否定することなく、さりげなく賢人への道を一人求める修行僧の姿を見た。
常にアイデアばかりに焦点を当てて生きるのは至難の業。しかし、ベンやメルの生き様にヒントを得たおかげで、他人の噂や周囲の出来事の力を借りて、自分の人生を実際のものより上層のものに感じようとする「精神的な落とし穴」だけは、避けられると思う。

もちろん聖人君子ではないのだから、誰だって嫌いな人の悪口の一つも言いたくなることもあるし、印象的な事件について話題にしたくなることもあるだろう。でも、話題が「それだけ」の人との会話は概して楽しくない。自分自身の考えが見えず、何だか底の浅い、「他人の噂や周囲の出来事の力を借りて、自分の人生を実際のものより上層のものに感じようとする」人に思えてしまうからだ。結果そういう人との時間はなるべく過ごしたくなくなるし、そういうことしか言わない人の文章も必要以上には読みたくない。

「こうしたらどうだろう」「こうしたらもっとよくなるかもしれない」「じゃあここからやってみようか」そんなアイデアと行動にあふれた人は魅力的に感じるに違いない。
そしてこれは、梅田さんが「直感を信じろ、自分を信じろ、好きを貫け、人を褒めろ、人の粗探ししてる暇があったら自分で何かやれ。」というエントリで言いたかったことに近いような気がする。

できない理由じゃなくて、どうしたらできるようになるかを話そうよ。