対決から解決へ〜相手に真っ直ぐ向き合う

日経ビジネスアソシエ連載のアサーティブ・トレーニング第11回(2006.12.05号掲載)「いざ対決、そして解決へ 予告と基本ステップの整理がカギ」より。

前回は怒りの扱いについてボキャブラリーを増やして表現し、その奥にひそむ感情を整理する、というやり方を紹介していた。
今回はいよいよ実際相手に向き合うステージ「対決」。怒りの感情を建設的な形で表現しながら問題解決を図ることが目的となる。
その目的を達成するためのポイントを本誌から要約抜粋。

◆下準備
1.時と場所を選ぶ
→相手が聞ける状態になる時間や場所を選ぶ。ちなみに「酒の席で切り出すのは避けるべき。相手からすれば後日「忘れた」と言い逃れしやすい」とのこと。
2.自己開示する
→話し合いに臨むに当たっての自分の心の状態を言語化する。「大変言いづらいのですが・・・」等。
3.肯定的に始める
→「あなたとの関係を改善したいと思うから言うのだけど」等。

◆本題に入ってから終了するまで
4.客観的な事実を述べる
→客観的、具体的、簡潔に。「あなたはいつも〜」などと決めつけない。
5.事実に対する感情をシンプルに言語化する
→自分がどのように感じたかを率直に。相手のせいにして責めない。主語はあくまで「私」。
6.要求の的を絞る
→相手に望む現実的具体的変化をひとつだけ、簡潔に伝える
7.相手に反応を求める
→相手がどのくらい理解しているか確認する
8.繰り返す
→話が別の方向に行かないように自分の要求を落ち着いて伝える。
9.会話を終了させる
→無理に「イエス」と言わせない。「ぜひご検討をお願いします」と言ってこちらから会話を終わらせ立ち去る。

本題に入ってからは「事実」→「感情」→「要求」→「結果」のアサーティブの基本ステップに沿って進めることを忘れずに。

読んでみて、確かに「下準備」のところはおろそかにしがちだな、と思った。が、うまくいった交渉の場面を思い出すときちんと「下準備」がされていたことが多かった。それらは本気度が高い話が多く、どうしても成功させたいと、完全に要求が通らなかったとしても少なくとも自分の考えをきちんと相手には伝えたいと強く思っていることだった。そのためにどうしたらいいか、特に習ったわけではないが自然と「下準備」をしていたのだろう。大事な話を聞いてもらうための必須事項だったのだ。

というわけで見過ごされがちなポイントがこのようにメソッド化されることは重要だと思う。
大事な対話は、まず「下準備」から。

詳細はアソシエ本誌及びアサーティブ・ジャパンでご確認を。