読売得意の「若者コミュニケーション不全説」

読売新聞記事「「つながり」求める若者…本社調査から」より。

 読売新聞社の「人間関係」に関する全国世論調査で、人付き合いの希薄感が強まり、20歳代の若者を中心に人とのつながりへの渇望感が広がっている傾向がうかがえた。ニートや引きこもりなど社会との接点の薄さが指摘される中、人とのつながりを求めているものの、距離感をどう保って良いか分からずに困惑する若者像も垣間見える。

と、リードは若者のことしか書いてないけど、実際の調査対象の属性は

有効回収数=1,788人(回収率59.6%)
・回答者内訳=男49%、女51%▽20歳代11%、30歳代15%、40歳代17%、50歳代22%、60歳代21 %、70歳以上14%▽大都市(東京23区と政令指定都市)21%、中核都市(人口30万人以上の市)19%、中都市(人口10万人以上の市)24%、小都市(人口10万人未満の市)22%、町村14%

となっていて、若者を20歳代とすると1割しかいない。(しかも人口ピラミッドから見るとちょっと50代・60代に偏ってないか)
さらに、調査方法は「個別訪問面接聴取法」。まあおそらくあらかじめ質問項目を配っておいたのではないかとは思うが、回答にバイアスはかからないだろうか。

まあそもそもここに書かれている質問と回答の選択肢も何だか意味が良く分からないのだが。
「希薄になりつつある」ことを前提に「悪影響」のことしか聞いてないし、コミュニケーション手段で携帯電話のメールのことしか聞いていない。質問がこれで全てだとしたら、どうも導きだしたい世論が先にあっての調査としか思えない。
それは「若者の人間関係希薄化」「携帯メールで用件を済ませ、結果生まれるコミュニケーション不全」「あいさつができない若者」「「つながり」への渇望感、不安感」といった相変わらずの「若者不安定説」。
まあ新聞社の世論調査ってそういうものだと思って読むべきなのかもしれない。