IT系サイトにはうつ病記事が繰り返し繰り返し掲載される
IT Proや@ITで頻度の高いキーワードである「うつ病」。今回もまたIT Proでこんな連載記事が始まっていた。
【初級】うつ病に負けない メンタルヘルスの必須知識を身に付けよう(1)
うつ病に関する誤解や偏見、ストレスが原因で発症する主な心の病、うつ病の典型的な症状(DSM-IV-TRにある9つの「大うつ病エピソード」)を図表入りで紹介してあり、また実例をストーリー仕立てで紹介していてわかりやすい。
で、昨年後半にも実はIT Proにはこの手の連載があったのだ。
「ITエンジニア必須のうつ病予防と治療の知識」
第1回 うつ病の増加は,IT業界から始まった
第2回 うつ病の診断基準と医療機関の選び方
第3回 うつ病の治療法とは?
第4回 うつ病と職場復帰−ある患者さんの事例
第5回 これでうつ病を予防しよう!
第6回(最終回) うつ病Q&A
「うつ病の増加は,IT業界から始まった」ではこのように書かれていた。
うつ病の増加は「IT業界から始まった」とも言われているのをご存じでしょうか。実はITエンジニアは,他の職種以上にうつ病になりやすい要因を数多く抱えています。次の条件のなかに,あなたの職場やあなた自身が該当するものはありませんか。
1.慢性的な人員不足,膨大なメールのやり取りなどで,長期間にわたって昼夜を問わず激務を強いられる
2.プロジェクトごと/開発フェーズごとのメンバー入れ替えや客先常駐などによって周囲とのコミュニケーションが希薄になりがちで,気軽に相談できる相手がいない
3.技術革新が激しく,将来に関して漠然とした不安を覚えるどれも一般的なIT企業やITエンジニアによく見受けられることばかりですが,これらは慢性的に強いストレスを生み出し,うつ病のリスクを高める要因になります。IT業界で働く限り,うつ病は決して他人事ではないのです。
こうやって何度も特集記事が出されるほどに、ITエンジニアの労働環境は過酷だということなのだろう。実際知ってる人間が休職していたり、休職明けに退職したりしているのを見聞きしているので、他人事ではない。さらに、偶然かもしれないがそのうち二人が顔面神経痛も併発しているのか右半分と左半分の顔が大きく違っているのを見ると、正直見るのがつらかった。
最近ではうつ病もパニック障害も投薬と休養でかなり効果的に治療できることが知られてきてるが、そもそも自分の状態に気がつかなければ話にならない。
「うつ病の増加は,IT業界から始まった」によると、うつ病の自覚症状として最初に出るのは身体の不調と言い、「睡眠障害」「疲労・倦怠感」「食欲不振」「頭痛・頭重感」「めまい」「性欲減退」「便秘・下痢」「体重減少」「肩こり」「背部痛」といったものだそうだ。特に特に,なかなか寝付けない,熟睡できない,朝早く目覚めてしまうなどの「睡眠障害」は,ほとんどのうつ病患者が経験する症状といっていいでしょう。不眠に悩む人が1年先にうつ病にかかるリスクは,そうでない人と比べて3倍も高いというデータもあるという。
一方「意欲や興味がわかなくなった」「仕事に集中できない」「考えがまとまらず,判断力や決断力が鈍った」「仕事の能力が低下してきた」「憂鬱な気分が続いている」「不安や焦る気持ちが強い」といった精神症状は自分ではなかなか意識できず、医師に聞かれて「そういえば」と思うことが多いらしい。
上記に挙げたような症状が2週間以上続いたら、ただの「疲れ」として片づけず、うつ病の可能性を疑って、早めに専門医を受診していただきたい。進むと治療に時間がかかり、重症になると自殺企図をも起こしかねない。
また周囲の人間が気付いたらこのような対処を取ってほしいとのこと。
・不安を広げないように声をかける
本人がうつ病だという自覚がないものの,周囲からみていつもと様子が違う場合は,まず「うつ病」「病気」という言葉を使わずに「疲れ」「顔色が悪い」などと言い換え提案するような言い回しで受診を勧めるようにしましょう。
・受診に付きそう
ご家族や同僚など,一緒に先生の話を聞くことで患者さんの状態やサポートの仕方がよく分かります。もし本人が受診に消極的な場合にはご家族の方が代わりに受診されることもひとつの方法です