北海道・東北以外は人手不足感強し〜地域雇用情勢

内閣府の「今週の指標」は毎回身近なテーマをわかりやすく分析してくれていて、実は結構面白いのだが、No.718でこんなレポートが出ていた。

景気回復の波及による人手不足感が目立つ地域の雇用情勢

景気ウォッチャー調査(現状、3月)によせられているコメントをみると、「景気が悪いときはリストラ等から求職者数が増えるが、最近は景気が良くなっている中で求職者が増加している。特に若い在職者の増加が際立っている(九州=職業安定所)」や「金融、電機メーカーの新卒採用増を受け、中堅企業も採用枠を拡大しているようである。急きょ採用媒体を変更し、求人情報誌を使う企業も出ている(南関東求人情報誌製作会社)」など、好調さをうかがわせるコメントがみられる。

東海地区の人手不足感はトヨタ関係だろうか。一方で北海道・東北は改善されたとはいえ未だに「過剰」であることも注目される。

企業が人手不足を感じ、新卒採用を増やしていることのもう一つの背景としては、団塊世代の一斉退職と若年労働者の少なさ、いわゆる2007年問題も控えていることが考えられる。就業者のうち55〜59歳は、各地域ともに差はなくほぼ1割強を占めている。また50〜54歳も約1割を占めており、労働力の確保を目指すことが今後も続くと考えられる

元ネタは日本銀行各支店「短観」、厚生労働省「高校・中学新卒者の就職内定状況等について」、文部科学省厚生労働省「大学等卒業者就職状況調査」、総務省労働力調査」。こういった各省庁のレポートを横串で集約・分析して見れるのは非常にありがたい。