職業検査ツールのその先

生真面目な若者とセレンディピティ労働政策研究・研修機構研究統括研究員 松本純平:2006/03/17)

大学のキャリア支援サービスで実施されるVPI職業興味検査の場で、職業名を電子辞書で調べてから答える大学生の姿があったという。「正しい」答を求めての行為なのだろうが、筆者も言う通り「電子辞書の断片よりも「どんな職業かハッキリしないなあ」という反応も含めて、職業名を目にしたとき受検者がいろいろと頭に浮かべるイメージの方が、豊かな広がりと深みを持っていると思える。」のだが、それでは不安なのだろう。

「適性診断ツールを使う時「非現実的な」職業が表示されると活用しにくいという苦情を担当者から聞かされることがある。」とある。私も以前R-CAPを使ったカウンセリングを就職活動中の学生に行ったら同じようならしいが、ここを出会いのきっかけとして考えていくと、自分では思いもよらなかった道が開けるかもしれない。ツールは自分を限定するために使うものではなく、自分の可能性を広げるために使う方が楽しいと思うのだが。

この記事でも「Planned Happenstance」に触れている。この理論はやはり仕事やキャリアというジャンルに携わっている人たちにはWeak tiesと同じくらい納得感の高い理論なのだろう。