「ジョブカフェやまなし」キャリアカウンセラー・津田博幸さんのインタビュー

人・かお・トーク:キャリアカウンセラー・津田博幸さん /山梨(Mainichi INTERACTIVE:2006/03/19)

やりたいことが夢なのか、目標なのか、現実と比べてどうなのかを吟味しないまま、いざ就職となると本当にしたいことが分からないということになっているような気がします。最初はみんな自分に自信がなく、「これまでたいしたことをやっていない」と今までのアルバイトなどの労働経験を低くみます。私たちはその人の経験を洗い出し、自信を付けさせることから始めます。

よく一般事務職員希望という若者が来るのですが、一般事務職員といっても経理、総務、企画、受付などいろいろある。例えば、「企画の仕事をしたい」といっても、自分だったらどんな企画を作るのか、他の企画と比べ自分の企画はどこがいいのかまで言えないと他の人と差が出ない。経理だったら、簿記の資格など自分に付加価値を付けることで他の人よりも一歩進める。

 自分は何に興味があるか、どんな仕事に就きたいかが見えたら、資格を取るなどどういうルートをたどって行くかを考える。そういう細かいことを一つ一つ積み重ねていきます。

実際こういう細かい洗い出しの積み重ねなのだ、カウンセリングの現場は。

ステップアップのための転職は歓迎しますが、今の仕事に不満を持っての転職は勧めません。隣の芝生は青く見えるもの。一つの会社にはいろいろな職種があるものです。だから、私は辞めたくなったら3回は会社に職種異動を要望するように言っています。辞めるのは簡単ですが、不満を持っての辞職は次の職でも起こる可能性は高いですから。

社内公募やFA制度への応募も同様のことが言える。自分の不満を整理して本当に部署の異動しか方法がないのかつきつめて考えないと、また同じことを繰り返す羽目になりやすい。現実にそういう「社内ジョブホッパー」が生まれているのを見ると強く実感する。