同年代での賃金格差が拡大/内閣府「企業行動に関するアンケート調査」

#興味深かった箇所をピックアップ。

最も雇用の過剰感、不足感がある分野の事業合計をみると、「営業・マーケティング」、「研究開発」は不足感が過剰感を上回り、「生産」、「人事経理財務」、「情報システム」は過剰感が不足感を上回っている(第2-2-5図)。最も雇用の過剰感のある分野、不足感のある分野について年齢層をみると、「20歳代以下」、「30歳代」、「40歳代」は不足感が過剰感を上回り、「50歳代以上」は過剰感が不足感を上回っている(第2-2-6図)。雇用形態をみると、「契約社員」、「パートタイム・アルバイト」は不足感が過剰感を上回り、「正社員・正職員」は過剰感が不足感を上回っている(第2-2-8図)。

「50代以上」への過剰感がものすごい。雇用形態別の過不足感は、それぞれ少々上回っている程度に見える。

会社全体での40歳代の雇用者数を100とした場合の年齢層別雇用者数の理想と現状について業況別にみると、「良い」と回答した企業、「悪い」と回答した企業ともに「30歳代以下」では現状が理想を下回っており、「50歳代以上」では現状が理想を上回っている。ただし、「良い」と回答した企業の方が「悪い」と回答した企業より理想と現状の乖離幅が小さくなっている

業績が悪い会社ほど50代以上を「もてあましている」ように読めてしまう結果。

40歳代の雇用者の平均賃金を100とした場合の年齢層別の最高賃金、最低賃金をみると、年齢層が高くなるにつれ最高賃金、最低賃金とも高くなっており、年功型賃金となっている。この傾向は前回の平成11年度調査でも同様であったが、各年齢層とも最高賃金が上昇し、最低賃金は低下しており、この5年間に最高賃金と最低賃金の差は拡大している。最高賃金の上昇幅は「30歳代以下」で3.0%(伸び率は2.9%)と大きく、「50歳代以上」で1.3%(伸び率は1.0%)と小さい。また、最低賃金の低下幅は「30歳代以下」では▲2.9%(伸び率は▲4.5%)であるのに対し、「50歳代以上」では▲5.5% (伸び率は▲6.4%)と「30歳代以下」に比べて大きい。このように年齢層間の最高・最低賃金の差は縮小しており、賃金の年功的要素は弱まっている

これは「30代の最高賃金」と「50代の最低/平均/最高賃金」を比較しないと年功的要素の弱まりは言い切れないのではないだろうか。