「GoogleのYouTube買収の影響」に参加して

CNET Japanで「情報化社会の航海図」を書いている渡辺聡さんの主催するEmerging Technology研究会(略称ET研)に出席してきた。
今回のお題は「GoogleのYouTube買収の影響」。
利用者サイド、テクノロジサイド、コンテンツ制作者サイド等いろんな見方といろんな影響がありそうで、どんな話が出るのかと思っていたが、本当に満遍なく話が出てきて、月並みな感想で恐縮だが面白かった。

と言う私自身は実はYouTubeはほとんど見ていない。と言うか、PCで動画を見ること自体が少ない。理由は時間が取られるから。テキストはナナメ読みもできるし音声ならば「ながら」もできるが、映像があるとつい正対してしまうのだ。そして全部見ないとわからないから飛ばせない。となるとよほど評判が高く信頼できる人がレコメンドしてくれているものじゃないと、時間の無駄感が大きく、結果自分から画像を探しに行く、ということはしていない。たった5分、されど5分。

でもあのGoogleにすぱっとお金を出させるからには、それだけのインパクトのある存在なのだろうと思い、一体何がそんなに「すごい」のかなあ、とつらつら考えながら議論を聞いていた。

motlabさん作成のたたき台「有料無料と地上地下でのマトリックス図」(名前は勝手に私がつけた)を眺めながらいろんな話が出て、そのあたりについては他の頭脳明晰な方々が分析エントリを書いて下さっている(「GoogleとYouTubeの結婚から考える、著作権とメディアビジネスの今後の産業構造転換にまつわるよしなしごと」とか「GoogleとYouTubeは既存ビジネスの破壊者なのか?」とか「GoogleのYouTube買収の影響ってなんだ?な、ET研究会に行ってきた。」とか「「GoogleのYouTube買収の影響」- ET 研 2006/10」とか)ので詳しくはそちらをご覧いただきたいのだが、わらわら出てきた様々な方々の言葉達の中で印象に残ったキーワードとそこから勝手に連想したものを、メモ的に。

■キーワード

  • 放送局は権利の利用者
  • 放送の機能は「編成」
  • みんながTVディレクター時代
  • occupationからprofessionalへ
  • 可処分時間の闘争
  • YouTubeはCATV局のひとつ的ポジション in USA
  • 今回の買収でGoogleは通信事業者とCATV局両方を敵に回した
  • YouTubeSNS?動画メディア?
  • Googleが狙うのは一瞬のマッチング
  • ブログのテキストとYouTubeの動画は同じポジション

特に「occupationからprofessionalへ」というのは、キャリアカウンセラー的においしい言葉だった。「職業」と「キャリア」の違い、的な。40代以上に効きそう。

■連想
・ジャーナリズムのYouTube化→投稿報道
ぽろっと投稿したビデオ画像が局地的に報道としての価値を持つ。価値を決めるのは視聴者。
となると、動画コンテンツのソーシャルブックマーク化が起きてきたり、「マイ編成」を作るユーザーと自動的に検索して寄せ集めてくれるポータルをほしがるユーザーと2極分化してくるのだろうか、とか。

・attention→intention→affection
affectionとintentionは逆になるかもしれないけれど、いずれにしろ「愛着」を持たれたコンテンツは強いよなあ、と。

識字率が低くてもビデオカメラさえあれば自己表現できる時代に
つまりGoogleが推進しようとしている100ドルPC的な活動にもつながる、とか。