平成17年国勢調査結果速報−高齢化、少子化世界一

日本が高齢化、少子化ともに世界一に 国勢調査速報asahi.com:2006/06/30)

こちらを見て元ネタにあたってみた。

平成17年国勢調査 抽出速報集計 結果の概要
I 進行する少子・高齢化
II 就業面から見た人口の変化
III 変化する産業・職業構造
IV 変化する世帯の姿

以上4つの切り口からの分析があり、どれもなかなか興味深い。(ちなみに新聞記事のネタ元はⅠと思われる。)

未婚率については、速報資料にはこのようにあった。

男女別15歳以上人口について,未婚率を年齢階級別にみると,男女共に若年層で引き続き上昇している。平成12年と比べると,女性は25〜29歳及び 30〜34歳でそれぞれ5.9ポイント,6.0ポイント上昇しており,25〜29歳の未婚率は59.9%となっている。一方,男性は30〜34歳及び 35〜39歳でそれぞれ4.8ポイント,5.2ポイント上昇しており,30〜34歳の未婚率は47.7%となっている。(表1−6,図1−4)

「II 就業面から見た人口の変化」では、労働力率グラフの各国比較が面白かった。フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、カナダ、アメリカ合衆国のものが載っているが、女性がM字を描いているのは日本だけ。

「III 変化する産業・職業構造」では「産業大分類別15歳以上就業者の割合上位三都道府県」の表がなかなか趣深い。

「卸売・小売業」は福岡県が20.6%,「製造業」は滋賀県が26.5%,「サービス業(他に分類されないもの)」は東京都が18.3%と最も高く,平成 12年からの増加率が最も高かった「医療,福祉」は長崎県が12.8%と最も高くなっている。また,「情報通信業」は東京都が6.8%と最も高く,次いで神奈川県が5.9%,千葉県が4.3%,埼玉県が4.0%と首都圏の一都三県のみが全国平均(2.7%)を上回っている。

「IV 変化する世帯の姿」では、「持ち家率,1世帯当たりの住宅の延べ面積共に富山県が最大」とのこと。

こういった集計の他に、人口に関する情報だけをシンプルにまとめたものもある。

平成17年国勢調査 全国・都道府県・市区町村別人口(要計表による人口)結果の概要

I 全国の人口
II 都道府県の人口
III 市町村の人口
IV 世帯

「I 全国の人口」の見出しを拾ってみると。

1 我が国の人口は1億2776万人,5年前に比べ83万人の増加, 増加率は0.7%で戦後最低を更新
2 1年前の推計人口に比べ2万人の減少,我が国の人口は減少局面に入りつつあると見られる
3 高齢化の進展により人口性比(女性100人に対する男性の数)は低下が続く
4 人口は世界で10番目,人口密度は世界で4番目

とのこと。
ちなみに人口密度トップ5は以下の通り。

1.バングラデシュ 985人/キロ平米
2.韓国      480人/キロ平米
3.オランダ 393人/キロ平米
4.日本 343人/キロ平米
5.ベルギー 341人/キロ平米

主要先進国で数少ない人口減少国のひとつはロシア。ロシアの人口問題の深刻さについては門倉貴史氏が「ロシアの人口減少は日本より深刻」という記事を書かれているので、興味のある方はこちらをお読みいただければ。「出産控え、アルコール中毒、高い自殺率」と三拍子揃った(?)悲惨さである。平均寿命が2002年で64.8歳。理由についてはこのように考察。

 男性の平均寿命の短縮化は、成人男性の死亡率上昇によるところが大きいと考えられます。背景には、健康に害を及ぼすアルコール濃度の高いウォッカの摂取量が増加していることがあります。実際、アルコール中毒による男性の死亡者は毎年相当数に上っており、夫婦の離婚の原因についても、最多の理由は夫のアルコール中毒です。

自殺者率は2002年が10万人あたり同38.7人(男性は69.3人)。2002年の年間自殺者数は5万5330人。人口は2005年に1億4320万人なので、多いと言われる日本に比べてもさらに自殺者数が多いことがわかる。