労働政策研究報告書No.63『これからの雇用戦略−誰もが輝き意欲を持って築く豊かで活力ある社会』

労働政策研究・研修機構の報告書。サマリーに目を通して。

サマリーはこちら。本文はこちら。(どちらもPDFファイル)

「人」をとりまく課題として以下の三点をあげている。

① 人口の減少
② 働き方における持続可能性の低下
③ キャリア形成主体の転換

その上で「これからの雇用戦略」として、「就業促進を基盤とした全員参加型社会の構築」「就業の質と就業インセンティブの向上」「キャリア権を基軸としたキャリア形成支援」という観点からレポートされている。
「就業の質」「キャリア権」といった言葉が少々耳慣れない人も多いかもしれないが、フリーター・ニートといった就労問題を考える時はこういう切り口は重要になると考える。

報告書本体の目次は以下の通り。

第1部 我が国における雇用戦略の検討について
第1章 雇用戦略の検討の趣旨
第2章 雇用戦略策定の意義
1 これまでの政策に関する基本認識
2 将来の雇用・就業を取り巻く環境に関する基本認識
(1)将来の社会経済環境に関する基本認識
(2)将来の労働力需給に関する基本認識
(3)今後求められる対応の方向性
3 雇用戦略策定の意義
(1)OECD, EU の取組から
(2)雇用戦略の必要性
第2部 雇用戦略の目標と基本的方向性
第1章 雇用戦略の基本的理念・目標
1 雇用戦略を検討する際の留意点
2 雇用戦略の基本的理念
3 雇用戦略の基本的理念を実現するための柱となる戦略目標
第2章 就業促進を基盤とした全員参加型社会の構築
1 全員参加型社会とは
2 全員参加型社会を実現するための課題・対応の方向性
(1)就業を通じた社会参加の促進
(2)就業機会の確保・創出
(3)雇用・就業のセーフティネット
(4)全員が社会にかかわること及び社会全体のコミュニケーションの確保
(5)地域雇用戦略
第3章 就業の質の確保と就業インセンティブの向上
1 就業の質の確保と就業インセンティブの向上の必要性
2 就業の質の確保と就業インセンティブの向上に向けた課題・対応の方向性
(1)仕事以外の場の充実と生活の質の確保
(2)多様な働き方の選択肢の確保
(3)仕事と生活の調和
(4)雇用の安定性と柔軟性の両立
(5)労働契約ルールの明確化
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(6)外部労働市場の環境整備
(7)新たな雇用システムの構築
(8)政策運営の基本:政策間の整合性と就業インセンティブを高める政策
3 仕事と生活の調和がとれた勤労者生活の実現の必要性
4 新たな雇用システムの構築の必要性
5 格差問題と処遇の均衡
第4章 キャリア権を基軸としたキャリア形成支援
1 「人」が主役となる時代のキャリア形成
2 キャリアをめぐる環境変化
3 「キャリア権」の構想
(1)キャリア権の意義
(2)キャリア権の概要
(3)キャリア権に関わる課題
4 個人が主導するキャリア形成の現状
5 キャリアをめぐる課題・対応の方向性
(1)基本的な視点
(2)自発的なキャリア形成の重層的支援
(3)キャリア基盤が脆弱な者に対する支援

※主要参考文献に、大竹先生の「日本の不平等」があった。やっぱり読まねばならないか。

日本の不平等

日本の不平等