平成18年度 厚生労働省税制改正要望項目

税金の軽減などで実施できる支援がこんなにあるのかと驚いた。もちろん要求事項なのでこのまま採用されるとは限らないのだが。

第1 心身ともに健康な生活と安心で質の高い効率的な医療の確保等のための施策の推進
第2 高齢者が生きがいを持ち安心して暮らせる社会の実現
第3 「人間力」を高め、安心して働ける社会の実現
第4 次世代育成支援対策と障害者の自立・社会参加の推進
第5 各種施策の推進

とあり、たとえば「第3 「人間力」を高め、安心して働ける社会の実現」の内容を見てみると

1 「人間力」を高めるための環境整備の推進
 (1) 職業能力開発に係る特定支出控除の範囲の拡大〔所得税、住民税〕
 職務に必要な技術・知識や資格を得るために過去5年以内に行った職業能力開発の費用を特定支出控除の対象に加える。
 (2) 若者の能力開発の推進に係る税制上の所要の措置〔検討中〕
 若者の能力開発の推進のための施策の検討を行っており、検討の具体的な内容を踏まえた税制上の所要の措置を講じる。
2 働く人の生活の安定に資する対策の充実
 (1) 勤労者が使用者等から住宅資金の貸付け等を受けた場合の経済的利益等に関する課税特例措置の適用期限の延長〔所得税、住民税〕
 勤労者が使用者等から住宅資金の貸付け等を受けた場合の経済的利益等に関する課税特例措置の適用期限を平成18年12月31日から平成20年12月31日まで延長する。
 (2) 新築住宅に対する固定資産税の減額措置に係る適用期限の延長〔固定資産税〕
 新築住宅に対する固定資産税の減額措置の適用期限を平成19年度末までの2年間延長する。

とある。住宅への固定資産税の減額まで厚労省からのお願い事項になるとは意外。また、「第4 次世代育成支援対策と障害者の自立・社会参加の推進」は

1 次世代育成支援対策の推進
 ○総合施設に関する税制上の所要の措置〔消費税、固定資産税等〕
 就学前の教育・保育を一体として行う総合施設の設置を可能とすることに伴い、税制上の所要の措置を講じる。
2 障害者の自立・社会参加の推進
 (1) 障害者を多数雇用する場合の機械等の割増償却制度の適用要件の緩和〔所得税法人税
 障害者を多数雇用する事業主が一定の機械等を取得等した場合の割増償却制度の対象範囲に、精神障害者である短時間労働者を加える。
 (2) 障害者を多数雇用する事業所に係る不動産取得税及び固定資産税の軽減措置の適用要件の緩和〔不動産取得税、固定資産税〕
 障害者を多数雇用する事業所が所定の助成金を受給して不動産を取得した場合の不動産取得税及び固定資産税の軽減措置の対象範囲に、精神障害者である短時間労働者を加える。
 (3) 障害者を多数雇用する事業所等に係る事業所税等の課税標準の特例の適用要件の緩和〔事業所税等〕
 障害者を多数雇用する事業所等に係る事業所税等の課税標準の特例の対象範囲に、精神障害者である短時間労働者を加える。
 (4) 障害者の在宅就業を支援する在宅就業支援団体の登録に係る税制上の所要の措置〔登録免許税〕
 在宅就業支援団体の登録の際に課せられる登録免許税について、財政的基盤が脆弱な非営利法人が登録を行う場合に登録免許税を非課税とする。

とある。「就学前の教育・保育を一体として行う総合施設」というのはつまり幼保一体化ということか。文部科学省はこのあたりどう扱っているのだろうか。
「第5 各種施策の推進」の中で「その他」としてこういう内容がある。

○介護・子育て支援サービス事業を行う特定非営利活動法人NPO法人)に関する税制上の支援の充実 〔法人税、事業税等〕
 パブリックサポートテスト要件の緩和等、介護・子育て支援サービス事業を行うNPO法人に関する税制上の支援を拡充する。

これはぜひ早期実現してほしい。
また「第2 高齢者が生きがいを持ち安心して暮らせる社会の実現」の中で「2 持続可能で安心できる年金制度の構築」という項があり、

○基礎年金の国庫負担割合の着実な引上げを図るための税制上の整備
 個人所得課税の見直しの中で、平成16年年金制度改正で明記された道筋に沿って、基礎年金に対する国庫負担割合の段階的な引上げに必要な安定した財源の確保を図る。

とあるのが気になる。何を財源とする心づもりなのか。