労働政策研究・研修機構/「子どもがニートになったなら」発行記念インタビュー

#今回はA'ワーク創造館事業部「体験!これから学級」講師 井村良英 氏 。

――人間関係が苦手だという子には何が必要でしょう。
 うちでやっていることは基礎的なことばかりです。例えばあいさつをする、頷く、とか。実はみんな、できるのですが、ちゃんと習ったことがないから、こういうときはそれでいいんだというのを確認して、自信をもってもらう。もう一つは、人間関係に悩んだときの乗り越え方ですね。
―――それはどうやって教えるのですか。
 例えば、一時間半の講義の後に、30 分間グループワークの時間をとるのですが、そこには僕はタッチしないんです。たいてい3回目ぐらいになると、全員しゃべらないまま気まずく終わったりする。そうすると、みんなどうしようと考えます。ある子は、次はこれを言おうと準備してくるし、ある子は僕に相談に来る。そのときに、「黙っといてもええねんで」「天気の話が無難やで」と助言するわけです。ここでやっていることというのは、99 パーセントは言ってみれば遊びのようなものなのですが、悩んだときにふっと相談できるかどうかが大切で、その相手となれるように最初に電話をもらったときから真剣に取り組んでいます。

自信が持てないことと、悩んだ時にふと相談できる相手がいないこと。今の日本で問題を抱える人たちの多数がもっている共通のものに感じます。

また「ああ、そういう考え方もあるじゃん!」とはっとさせられたのがこの言葉。

個人的にはもし日本のペースに合わないのだったら、日本で生きることはないと思っています。文化や風土の違う国であっても、自分のペースに合っていれば結構楽しく生きれたりしますから。

自分のために、自由に生きていけば、いいんだよ。そういうメッセージを感じました。