NPO成功への七カ条
NPO支援組織・浜松NPOネットワークセンター山口祐子代表理事へのインタビュー記事「とりあえず法人を作ろうでは続かない〜NPOで成功するコツ」(asahi.com:2006/03/03)より抜粋。
- はっきりした使命を
- 仲間選びは慎重に
- 自前で実態調査を
- ない力は外から
- 財源は多様に
- 活動は楽しく
- 小さくても成果を
事例として栃木県塩谷町「星ふる学校『くまの木』」、東京都杉並区「杉並アヤックスサッカークラブ」、東京都立川市「『育て上げ』ネット」、京都市伏見区の「醍醐コミュニティバス市民の会」を紹介。
「『育て上げ』ネット」は、ボランティアを断る珍しいNPO法人として紹介。
工藤啓理事長(28)は「ボランティアでは長続きしない。NPOの収入は不安定なので30歳代でやめてしまう人が多い。家庭も子供も持てる職場であるNPOにしたい」と仲間選びの基準を明確に語る(七カ条の二)。
そのため、1人4万円で若者を預かり、働く場を見つけてきて、実勢より低い報酬で請け負う。本人に渡す報酬は、それより低い。
育て上げネットの役割は昼間の居場所を提供すること。いわゆるニートの若者は「今何をしているの」と聞かれるのがいやで生活が昼夜逆転する。「『NPOで働いている』と言ってもいいよ」と伝えることで、働く意欲を持つきっかけになるという。
早い人は数カ月で普通に働き始める。工藤理事長は「彼らと接することで我々はノウハウを得る。そのノウハウを欲しがる自治体に提供することで対価も得ています。また、資金提供をしてくれる企業には、我々のスポンサーだと宣伝することを認めています」と言う。知恵を絞って多様な財源を確保しているのだ(七カ条の五)。
働き方の多様化にともなってNPOを設立、という場面も増えてきそうだが、この七カ条を肝に銘じて運営していく必要があるだろう。ボランティア主体になるからこそ運営は一筋縄ではいかない。善意の集まりくらいマネジメントしにくいものはない。