「人の話を聞く」こと

ちょっと前のid:naoyaさんのはてなダイアリーのエントリ「人の話をひたすら聞く」。ここには「話を聞く」ということの重要性と難しさがシンプルに書かれている。
中で紹介されていた「プログラマの心の健康」というコンテンツからの引用を孫引用すると。

とにかく、聞く。聞く。聞く。最後まで聞く。中断せずに聞く。意見を言わずに聞く。「もっと聞きたい」というそぶりを見せて聞く。

とにかく聞く。

やってみればわかるが、これはとても難しい。ついついいろいろいいたくなるのである。一度やってみてください。

「意見を言わずにとにかく聞く」というのは、言い換えれば「事実認定」と「価値判断」を分離することなのである。相手があることを言っているという事実を尊重するということである。価値判断(それはよい、わるい、私もそう思う、自分はそう思わない)というのはいつでもできる。でも、相手が話しているという今の事実、今の経験は今尊重するしかない。 …その態度が相手と自分の人間関係をよくするのです。

私は経験上、「人の話を最後まで聞く」という態度で人間関係が悪くなった例を知りません。逆に人の話を最後まで聞かなかったためにトラブるという場合はよくあるのです。

特にこの『「事実認定」と「価値判断」を分離する』ことが最重要。カウンセラーは徹底的にこれをトレーニングされるし、逆にこれがかなりの割合で難しい人は、どんなに人当たりが良くても頭がよくてもビジネスマンとして優秀でも人生経験が豊富だとしても、「カウンセラーには」向いていない。あきらめた方がいい。
カウンセラーだって100%できるわけじゃない。時には自分の価値判断で走ってしまうこともある。そう言う時に大事なのは「ああ、今自分は自分の価値判断でモノを言ってるなあ」と認識すること。相手の言葉を聞き、自分の今の言葉が相手に何をしたことになるのかを考え、そして次の言葉を選ぶこと。
だからカウンセリングはいつだって「かっこいいカウンセラーでありたい自分」との戦い。終わって自己嫌悪に陥らないことの方が少ないくらい。道は険しい。