慶應MMC夕学五十講・西村佳哲さん「かかわり方のまなび方」メモ

ノートに取ったメモをほぼそのまま書くので、箇条書きだらけで本人以外には意味不明かと思いますが、ご容赦を。

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日時: 2012年4月26日(木) 18:30〜20:40
会場: 丸ビル7階 丸ビルホール(千代田区)
講師: 西村佳哲先生(リビングワールド代表)
テーマ:「かかわり方のまなび方

自分が「生きて・いる」ことを、他者とのかかわり合いを通じて感じられる時、人は安らぎや力を得ていると思います。ワークショップやファシリテーション、あるいはインタビューの仕事を通じて、僕はそのありさまを見て来ました。説得や牽引が上手い人より、人の話をきける人が多いことの方が、創造的で健やかな社会の実現に繋がると思います。
かかわり方の技術とセンスについて、報告させてください。

内容メモ:

大学で教え始めてからの一連。
大学の教員は教員免許のない人が大半
教える素人


いい授業 →内容・メッセージ
→器・かかわり方


課題例「あなたの座る」をデザインしてください
答えを与えるのでないかかわり方 教え方


自分がmanageしてる人ができないことができるようになるにはどうしたら。

「子どもを産んだ森川さんが座るもの」妊婦の森川さんが毎週通ってくる。どんどんお腹が大きくなるのを見て、「この人が座るもの」を考える。

環境・ワークセッティング

IDEOの「スパゲッティ・キャンティレバー」30分間でスパゲッティで構造体を作る

出席してきたワークショップに「もやもや」→あれは本当に「ワークショップ」だったのか?

草分けの人たちは運動・課題の伝達方法としてワークショップをやっていたのではないか

オープンエンドといいつつ「正解」がある


同じ答えにあたかも自分が考えたかのように誘導 タウンミーティングやらせと同じ、いややらせはまだ自覚があるがワークショップでの誘導はいいことをしているつもりになっているのでたちが悪い


ワークショップ?→教室?
         体験型講習会?
         よくできたエクササイズ?

ファシリテーション」より「アジテーション」。


ワークショップ
workshop
工房・作業場


高田研(都留文科大学)
ハーバード大学 ジョージ・P・ベイカ
「47ワークショップ」(1905)
ジョン・デューイ
シカゴ大附属小「実験学校」(1896〜1904) 今で言う総合学習
アメリカ社会の工業化
19世紀後半→20世紀前半

オフ・ブロードウェイ

ワークショップ ファクトリー
workshop factory
工房・作業場 工場

「ファクトリーじゃなくて」という期待

20%イコール80%の法則(パレートの法則)
(重要な2割に8割の成果が含まれる)


早い段階の失敗は取り返しがつく→早く手をつけてね


ひとつの正解
ex 1+□=10

多様な納得解
ex □+□=10


時代が変わりファイルシステムが売れなくなっている
A4クリアフォルダが売れる(コクヨ)


“可能性が形になることを助けるかかわり方とは”

ファシリテーターは何をしているのか?

facilitator
facilitation
「facilis」 + 「ate」
容易に する


ファシリテーターになれる人 なれない人
「プロセス(過程)の話をする人はなれると思います」(西田真哉)


例えば、スターウォーズを見ながら「カメラ何台で撮ってるんだ」と思えること
うまくできてるものほどわからない


示す→崩す→戻す


観察=「観て」「察する」


“今、ここで何が起きているのか?”をとらえる能力


最近やってるのは「インタビューの教室

『二日間にわたり、「きく」ことを通じて二人の間に起こることを確認し、互いに試み合える空間をつくります。
「きく」には、聞くも、聴くも、訊くも含まれます。

僕、西村佳哲がインタビューの最中になにをしているのか? を一つのサンプルとして提示しながら、参加する一人ひとりが、自分の「ひとの話をきく感覚と技能」を吟味する時間をつくり出したいと思っています。』

もっと人の話がきけるようになりたい

いいインタビュアー 引き出すのがうまい?問いかけがうまい?

inputの帯域が貧弱な人はゆたかなoutputは出せない


黒澤明
セザンヌなどの画家は、自分の目に見えてるものが再現しきれてないから半年でもずっと描き続ける→見えてるものが違う 「まだ」だと思える感受性

センス=sence 感受性がいい


「きく」力


しゃべったり話したりできるのはきく人がいるから
きき方によって内容や質の激変が起きる


話してみる→外に出してみる→プロセスが生まれる
人の話をちゃんと聞ける人がたくさんいる組織が強い。


きけないとき…
・解決や解消に動いてしまう
・先回りしてしまう(待てない)
・自分のメガネで見てしまう

つまり、自分の軸でとらえてしまうとき


岸英光さんがやった母親グループでのコーチングワークショップ
「自分の3歳の子どもと散歩していて、細い路地に入ったら真ん中で大きな犬が道を塞いでいた。それを見た子どもが固まった。あなたは子どもになんて語りかける?」
→子どもは固まっただけ。「どうしたの?」→こわい→「それだけ?」

子どもの中に入っている感情はひとつだけではない


丹念にその人の中に入ってるもの、抱えてるもの、味わい 色合い を見ようとする


「最近やる気がないの」と話す妻に解決策を言ってしまう自分は、やる気のない妻を見るのがつらいから。それは自分の軸。


聞く→聴く→きく
訊く


実は「聞く」「聴く」「聖」は同じルーツの言葉 神事にたずさわること holyなこと


そもそも言葉は音が先にあってあとで文字をあてはめたもの


「も」ふくらみ 「な」しぼみ といった音の感じ

「きく」強く受け入れてより一体になる 物事の本質をとらえる(やまとことば)


聞く 聴く
効く
利く … ex.利き水、利き酒


上手い質問を繰り出す→聞く、訊く
相手の話を十分に受けとる→きく(利く)

人の見え方が変わる、かかわり方が変わる

はたらき、仕事の質がかわってゆく


人がどういう風に見えるか
どういう存在として見るか


見え方、見方のバージョンアップが必要
人間がどんな存在としてみえているか?(みるか?)


どういう風にサポートしていくか
どういう風にその場にいるか?

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Q&A

となりのトトロ」を見て絵コンテを描く
電気ドリルを外から見て部品点数を想像→分解

つくり手の側に行って見る

気持ちよかった講演会→構造を考える

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インタビュー時はメモをとらない
記録はレコーダー任せ
キーワードだけ残してあとで戻ってくる
なるべく考えないできく
その言葉が入ってきた時に自分がどんな感じだったのか、体できく

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会議が時間のうばい合いになる時
ミーティングの最初に今日取り扱いたいことをホワイトボードに時間入りで書き出す
時間が足りなければどうするか話し合って決める
→健全なオープンカードな運営ができる。

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話を聞いてもらうとき大切にしてること

自分の実感をないがしろにしない ちゃんとつながってる
持ち場を離れてしゃべるとあとでつらい気持ちになる すべりやすくなる
「しゃべったつもりになってる」

インタビュー時
もっと正確に知りたいので確認する。もっとこの人を知りたい。結果としてついてきている態度。

この扉何ですか?
立体物に見えてくる
感じた違和感なども尋ねる。

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事務局レポート
「センス」とは、プロセスを見ること。 西村佳哲さん

かかわり方のまなび方

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