新卒の正社員として働く意味は

昨日もご紹介した小島貴子さんがキャリアガイダンス.netに書かれたエッセイから。
正社員として働くことを問われたら(キャリアガイダンス.net)
「何故、正社員として働くのですか?」と学生たちから働く意味を問われた時、あなたはどう答えるか。小島さんの答はリンク先に書いてある。

 私は、目的があり自分なりに期限を決めているなら、フリーターという働き方が悪いとは思いません。しかし、新卒の正社員として働くことにとても大切な意味があるということも知って欲しい。それは「新人教育」というものを受けられる期間がその時しかないからです。学校を卒業したばかりで、社会性も仕事の知識もなくて当然。その期間に、知らないことを恥じることなく何でも尋ねられる。「なぜこんなことをするんだろう?」「今、自分がやっている仕事にはどんな意味があるんだろう?」。そんな素朴な疑問にきちんと答えてもらえる時期を持ったほうがいいということです。

 また、新人教育というのは基本的に仕事に取り組むためのベースをつくるものですから、その上にそれぞれの会社独自の特色が被さるとしても、新人の間に受けるべき教育をきちんと受けていると、どんな仕事にも対応できる力がつくはずです。それが『働く基礎力』になります。初期の段階で基礎を身につけ、さらに応用力を養うことが大切です。

できなくて当然、知らなくて当然という時期は実に貴重だ。その間に会社の求める能力が何なのか知ることが出来る時期が新人研修という場なのだろう。会社が給料払いながら与えてくれる学生から社会人への「移行期間」。

 経験というのは、目に見えてすぐに結果を出せるということではありませんが、ジグソーパズルと同じで、その時は何の意味か分からなくても、完成させるためにはそのピースのようになくてはならないもの。その一つ一つに大事な意味があって、十年、二十年後にそれが確実に形となって、仕事に、自分の中に、生きていると実感する時が来ると思います。

 これは、フリーターという選択をして社会教育の機会を失った若者と数多く出会った私の今の実感です。

すぐに結果を求める皆さん、仕事ってなかなかそういうものではないのだよ、と、この言葉を引用して伝えたい。