「男性の家事時間が増加」ってホントかな

Yahoo!ニュースの記事「男性の家事時間が増加 NHK放文研の調査」。

 調査によると、成人男性の平均家事時間は前回(2000年)に比べ、平日が10分増の46分、土曜が11分増の1時間12分、日曜は14分増の1時間35分。
 平日に何らかの家事をする、と答えた50、60代の男性の割合が目立って増え、60代は前回の38%が50%に達した。

とあり、「何らかの」って何よ、と元データにあたってみた。

「2005年国民生活時間調査報告書」まとまるNHK放送文化研究所

平均時間での分析はこちら。

家事をしている成人女性の率は、平日、土曜、日曜いずれも90%以上と高率である。2000年と比べ、家事をしている人の率と全員平均時間は、ともに変わらない。一方成人男性では、平日と日曜で家事をする人の率が増加し、日曜では半数を超え、55%が家事をしている(図表49)。家事をしている成人男性の平均時間(行為者平均時間)は、平日2時間9分、土曜2時間42分、日曜2時間54分である。行為者平均時間、全員平均時間ともに平日、土曜、日曜いずれも2000年に比べて増加している。
年層別にみると、平日に家事をする人の率は、成人女性では30代以上で8〜9割台であるのに対し、20代のみ62%と低い。成人男性では、60代以上で平日に家事をする人が半数以上となった。2000年と比べると、女性では40代で減少し、男性では50・60代で増加している

一方行為者率で分析したのがこちら。

成人女性の家事の行為者率を内容別にみると、「炊事・掃除・洗濯」は84〜86%、「買い物」は51〜56%、「子どもの世話」は20〜23%、「家庭雑事」(片付けや庭仕事、銀行・役所などの用事、老人・病人の世話など)は51〜54%である(図表52)。曜日ごとの違いをみると、「買い物」は平日より土曜・日曜で多く、逆に「子どもの世話」は土曜・日曜より平日の方が多い。「炊事・掃除・洗濯」と「家庭雑事」に関しては曜日による違いはない。
2000年と比べると、平日で「買い物」をする成人女性の率が減る一方、「子どもの世話」をする人の率は増えている。
成人男性の家事の行為者率は、成人女性に比べるとどの家事についても低く、平日は6〜16%である(図表52)。土曜・日曜では、「買い物」が最も多い。
2000年と比べると、平日の「炊事・掃除・洗濯」「買い物」「家庭雑事」、土曜の「買い物」、日曜の「炊事・掃除・洗濯」で行為者率が増加している。家事の基幹部分である「炊事・掃除・洗濯」で、平日の行為者率・全員平均時間がともに増えている。

つまり、男性の言ってる「家事」って、主に「買い物」と「家庭雑事」らしい。平日の「炊事・掃除・洗濯」が増えてる、って言ったって、0.09時間が0.11時間になった、ということですから。いやもちろんまったくやらないよりやったいただいた方がいいんですけど。

また、平均時間の増減より、行為者率の方が実態に近い気がする。現にほとんど増えていない。やる人はやっていて、やらない人は全然やってない、というような。