人的組織の成熟度に合ったITSS導入とは(@IT情報マネジメント)

(前編)ITSS導入は日本企業に何をもたらすのか?
http://www.atmarkit.co.jp/fbiz/cstaff/complete/itss/01/01.html
(後編)〓人的組織の成熟度モデル「People CMM
http://www.atmarkit.co.jp/fbiz/cstaff/complete/itss/02/01.html

People CMMは米国の大学で策定されたものであり、米国の人事制度である職務制度を基盤として開発されているため、日本企業に適用する場合には注意が必要である。
レベル2の段階においても、すでに職務定義されていることが前提になっており、職務定義に合わせた要員配置がなされ、報酬が支払われていることはあえて記述されていない。しかし、多くの日本企業では、職能制度の下で職務を決めずに募集・採用が行われ、職務ではなく職務遂行能力に基づく等級分けがなされ、報酬が支払われている。そのため、日本企業でレベル2をクリアするためには、まず、職種・レベルの定義を行う必要がある。
 また、レベル3のプロセスエリアに挙げられているキャリア開発は、職種・レベルを定義し、職種間の関連を示した日本企業のいうキャリアパス構築ではなく、企業の事業戦略や事業目標に合わせたコンピテンシ開発をしたうえでのコンピテンシベースのキャリアを開発するための方法を策定することである。

CMMを人的組織力の管理に適用するという考え方が非常に興味深いが、利用するには掲記の注意点がある。「職務定義」が壁になりそう。